不思議な代謝のメカニズム
代謝は人間が活動する上で欠かせない能力です。
体内の錬金術である代謝がどのように機能するのかを現代の定説で解説していきます。
環境によって変わる代謝
酸素がなかった時代、人間や動物の先祖細胞は、酸素を使わずにエネルギーを作り出す【解糖系生命体】として発生しました。
そして、大気中に酸素が大量に存在するようになると、酸素を使ってエネルギーを作り出す【ミトコンドリア系生命体】が発生しました。
その後、ミトコンドリアが解糖系生命体の中に寄生し合体して現在の人間の細胞になった。と言うのが通説です。
このように人間はハイブリッドの細胞を持ち、生命を維持しています。
・【解糖系エンジン】
1個の細胞が細胞基質でエネルギーを生産する仕組みを解糖系エンジンと称します。
解糖系エンジンは、食物から分解したブドウ糖1個からピルビン酸2個に分解します。
このときに、ATP(アデノシン三リン酸)ていうエネルギー物質が2個生産されます。
解糖系細胞は、〔酸素を使わず〕食物から分解したブドウ糖のみでエネルギーを作り出し、分裂増殖や生命活動をします。
人間が大人になるまで成長する期間は、この解糖系エンジンがメインに活躍する時代です。
解糖系エンジンは、短距離を全力疾走で一気に走り抜く時や重いものを持ち上げるなど息を止め瞬発力を発揮する時に必要なエネルギーを作ります。
無酸素の解糖系エンジンの強みになります。
・【ミトコンドリア系エンジン】
解糖系エンジンは、1個のブドウ糖からわずか2個のエネルギー(ATP)しか作れません。
そのため、すぐにエネルギー不足に陥り、活発に活動し続けることができません。
ミトコンドリア系エンジンは多くのエネルギーを増産する能力を持っています。
解糖系で1個のブドウ糖から2個のATPと2個のピルビン酸が分解されますが、ミトコンドリアが働けば、さらにその2個のピルビン酸がミトコンドリア系エンジンで36個のATPを生産します。
このように人体細胞は大変効率の良いエネルギー生産システムを持っています!
ミトコンドリア系エンジンは酸素呼吸をしながらエネルギーを作り続けます。
長距離の持久走などに発揮します。
ミトコンドリアの活性は長寿に繋がります。
ミトコンドリア系エンジンがタービンとして働く時、ピルビン酸、酸素、水素、酵素、ミネラル、ビタミンを必要とし、ATPを増産します。
同時に発生するのが、二酸化炭素と水、そして〔活性酸素〕です。
活性酸素が大量に増えることで様々な問題が起こります。
【まとめ】
人間の代謝は環境に適応できるように進化した、と言われています。
ただ、ストレスや疲労など身体に負担をかけることで代謝が悪くなり、悪循環にはまってしまうことに繋がります。
エネルギー代謝を知ることでバランスがとれるように意識することもできます。
呼吸法がどのように代謝に関係するのかもわかります。